2月15日 (金)  福島ツアーレポート その1

今回の福島ツアーのために物心両面で応援してくださったみなさんに心から感謝します。
3.11以降、福島へは2011年9月に朴慶南さんと一緒に福島市を中心に数カ所を回って歌いましたが、ちゃんとしたコンサートを行うのは初めてのことです。
今回このツアーが実現することになったのは、昨年の11月に私の地元葛飾で、福島原発告訴団団長の武藤類子さんのお話を聞いたのがきっかけでした。
武藤さんは声高に反原発を訴えるというスタイルではなく、原発事故以前の山の中での暮らしを実に淡々と語られました。彼女は、お金やエネルギーになるべく依存しないで、どれくらい節約して暮らせるかということを楽しみながら実践してこられた方でした。それが実はどんなに豊かなことか、そんな暮らしに憧れる者としては尊敬の気持ちで聞き入りました。同時に原発が人間の本当の幸せとは対極にある怪物なのだということを痛感しました。同時にこの大きな事故が起こる前には、原発にたいする認識も知識もほとんどなかった自分自身がとても恥ずかしくなりました。
「福島へ行こう!」という気持ちが募り、すぐに武藤類子さんにお手紙を書いて、CDとともに送りました。
その後群馬県高崎市に黒田節子さんと青山晴江さんのチェルノブイリ視察の報告を聞きに行って、黒田さんと青山さんにも相談をして、トントン拍子で福島ツアーが実現することになりました。
人の縁は本当に不思議です。武藤類子さんは2002年の会津でのコンサートを聴いてくださって、その前日が私と類子さんのお母様の誕生日だったということも憶えてらっしゃいました。たんぽぽ舎のボランティアをしている青山晴江さんは、15年ほど前千葉県市川市に住んでいた頃の長屋のお隣同士でした。お互いにそこを引っ越したため、その後長い間お会いする機会がありませんでしたが、数年前に詩人の菅原克美のげんげ忌で再会しました。郡山市在住で「原発いらない福島の女たち」の黒田節子さんは、度々コンサートを企画してくれる群馬県高崎市の大塚農場の奥様の実のお姉様で、やはり何度も歌を聴いてくださっています。
それから、須賀川市で鉢の子窯という陶房を開いている伊藤文夫さんももうひとつの大きなきっかけを作ってくださいました。伊藤さんのお宅では過去に3回コンサートを開いていただきましたが、それ以来何度も遊びに訪れ、のぼり窯の火入れの時にはお手伝いもさせていただきました。今回はちょうど個展開催中のいわき市のギャラリーで歌えるように手配してくださいました。また、伊藤さんはかなり顔が広いらしく(そのすごさを今回はじめて実感)ツアー中至る所で伊藤さんの力を貸していただくことになりました。
今回のツアーでのたくさんの出来事、出会いを、私の拙い文章でうまく伝えられるかどうかわかりませんが、いただいたお土産をみなさんにお裾分けできたらと思います。