Diary 2004. 4
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4月22日 (木)  秋田・大館コンサート

昨年の夏、白神山地の「きみまち舎」でのコンサートに来てくださったKANさんの主催で、初めて大館でコンサートをすることになった。
はじめての場所で、400人のホールでのコンサート。主催者は相当苦戦するだろうなぁと思ったけど、案の定、300人も集まらないかも、という弱気なメールが前日に届く。
地方でのコンサートの主催者は、大抵みんな四苦八苦するようだ。はじめてコンサートを企画する場合はなおさら。数年前に東北の或る町でコンサートをやった時は、「いぢょんみ」がなんだかわからず、女子プロレスの興業と間違われたりしたこともある。或いは、韓国から来た演歌歌手だと思われたり... 主催者のみなさん、ごめんなさい。

今回のメンバーは、矢野さん、GENちゃん、Seliちゃん、鳥光さん、私の5人。いつものハイエースに機材、楽器を全部積み込んで、午後2時に東京を出発。大館まで600km。東北方面へのツアーは、もう苦にならなくなった。Seliちゃん、鳥光さん、私で運転を交替しながら、夜10時前に十和田湖インターに到着。インターの出口にKANさんが迎えに来てくれる。ホテルのすぐ隣りの居酒屋に直行して、比内鶏料理、春の山菜、秋田の地酒に舌鼓を打つ。おいしかったー!せっかく秋田に来たのに、温泉に入れなかったのはちょっと残念だけど...

翌朝、KANさんの案内で、「花岡事件」にまつわる現場を案内してもらう。
「花岡では、(強制連行された中国人労働者が)過酷な労働と虐待に耐えかね、1945年6月30日、『民族の尊厳、そして人間の尊厳を守るため』一斉蜂起し、近くの獅子ケ森などに逃走しますが、それは失敗に終わります。 憲兵隊、警察に現地の民間人をも加えた圧倒的多数の日本人により鎮圧され、鉱山の娯楽施設「共楽館」前広場に3日間、炎天下に数珠繋ぎにされ、虐待が加えられ、この間だけでも100人以上が虐殺されました。」http://www.oodate.or.jp/user/ishida/hanaoka/index.html からー
強制連行された986名の中国人は、「中山寮」と呼ばれる施設に収容され、苦役を強いられ、このうち418名は中国の地に生きて帰ることができなかったという。
炎天下にさらされ、100人以上が虐殺されたという「共楽館」の跡地には、体育館が建てられ、その隣りには幼稚園が建てられていた。無邪気に遊ぶこどもたちの声を聞きながら、59年前にこの場所でこの場所で繰り広げられた光景を想像すると、背筋がソッとする思いがした。
関東大震災時の朝鮮人虐殺、松代大本営、花岡事件...
私たちが生きているこの大地の下には、「埋もれたままのかなしみ」が無数に眠っている。その傷跡に、きれいな花を咲かすことができたらと思う。

午後6時半。いよいよ本番。桜が満開の大館は、あいにく朝から小雨が降っている。客足が減るのをみなで心配したけれど、6時前から人がぞくぞく集まってくる。400席の会場はほぼ満杯だ。
「客が入らないと、ステージから客席が真っ赤に見えるんだよね(椅子の色が赤いので)」と心配していたKANさんも、少し安心したようだ。
秋田の人間はシャイだから、ノリが悪くても許してね、との心配もよそに、チンドアリラン、ミリャンアリラン、アンコールの「イマココニイルヨ」では大合唱になる。

「イマココニイルヨ」大館バージョン。
オメード オーレ イマ コゴサ イルベシャ
オメード オーレ イマ コゴサ イルベシャ

打ち上げでは、実行委員会の実態?が暴露され、一層親近感が湧く(誰だかよくわからない歌手を呼ぶのは気乗りがしなかったけれど、KANさんの顔を立てて実行委員になったという人がほとんどだったようだ)。
実行委員会のみなさん、本当にご苦労さまでした。
どうもありがとう!

翌日仕事がある鳥光さんとSeliちゃんのために、打ち上げを早々に切り上げて、11時過ぎに大館を出発。翌日札幌に行く予定の矢野さんは、宴会小僧として置いていく。往きは8時間、帰りは7時間。朝の渋滞に巻き込まれないように、と思って、ちょいと飛ばしすぎた。

おまけ(メル友KANさんから23日に届いたメールの一部)
ー実行委員はともかく今日はいろんな職場を廻りました。皆さん声をかけてくれました。「コンサートに行くまで気が重かったけどとてもよかった」「しかたなく行ったが身体がしびれるほど感激した」「演奏もすばらしかった」などでした。しばらくこんな日が続くかもしれませんね。直前までコンサートはこりごりという思いでしたが又機会をつくりお呼びしたいと思いました。ー


写真1 中国殉難烈士慰霊碑
写真2 秋田民謡を歌う実行委員長
写真3 影の実行委員長KANさまと美女たち

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