ホームページへ 

ああ福島

作詞:武藤類子・李政美
作曲:李政美
山は青く、水は清らかな
美しき我が故郷

東に海を臨み
果実はたわわに実る
黄金の稲穂は揺れ
そのむこう山々がふちどる

山は青く、水は清らかな
美しき我が故郷

春、草木芽吹き
夏、緑の風渡る
秋、山は紅く燃え
冬、空は高く澄み渡る

ああ福島、ああ福島
ああ福島、ああ福島

愛の小舟

作曲:ヴィオレータ・パラ
訳詞:高橋悠治
この世界飾る / ひとびとの庭で
花束作ろう / 愛と慎ましさの
花束作ろう / 愛と慎ましさの

うたいたいものは / 理解という花
望みという草 / 気持ちという葉っぱ
望みという草 / 気持ちという葉っぱ

花束のなかに / 心の薔薇を添え
友情の樹をたて / 情熱の実飾る
友情の樹をたて / 情熱の実飾る

愛の小舟が / 魂を引いて 
港に泊まる / 白い鳩のように
白い鳩のように

 愛の讃歌

作詞:エディット・ピアフ
作曲:マルグリット・モノー
訳詞:李政美
空が落ちてきても 大地が崩れても
あなたの愛があれば どうでもいいの
あなたの腕の中で 目覚める朝があれば
何が起きてもいい あなたの愛があれば

地の果てまで行くわ 髪だって染めるわ
あなたが望むなら
月でも宝石でも盗りにだって行くわ
あなたが望むなら
祖国も友も捨ててもいいわ 
あなたが望むなら
後ろ指さされてもそれでもいいの
あなたのためなら

あなたに死が訪れて 遠く引き裂かれても
私は平気よ あなたの愛があれば
いつか私も死んだら あの青空の中で
澄み渡る青の中で 永久に愛し合うのよ

永久に結ばれるのよ

※アルバム「李政美LIVE2011―いのちの讃歌」所収

秋のはじめに

作詞・作曲:M・T
訳詞:水木洋子
いつかわたしに秋がよりそい
遠く過ぎていった思い出運ぶよ
秋風かおり 夕闇せまり
心のなかに 思い出が遊ぶ
華やいでいた なつかしい日々よ
今は戻らない 遙かな世界

秋の夕暮れ 静かにふける
夜の足音が かすかに聞こえる
秋風かおり 夕闇せまり
忍び寄るのは 冬の訪れ
思い出はいつも やさしく歌う
二度と帰らない 楽しい日々を

音もたてずに 木の葉が落ちる
そして気づくよ 黄昏のとき
胸の奥深く ひそかに閉じる
あの日あの頃 思い出のなかに

 朝露
아침이슬


作詞・作曲:金敏基
訳詞:李政美
(1970年)



긴 밤 지새우고 풀잎마다 맺힌
진주보다 더 고운 아침이슬처럼
내맘에 설움이 알알이 맺힐 때
아침동산에 올라 작은 미소를 배운다.
태양은 묘지 위에 붉게 떠오르고
한낮에 찌는 더위는 나의 시련일지라.
나 이제 가노라.
저 거친 광야에 서러움 모두 버리고
나 이제 가노라.


長い夜をあかし 草葉に宿る
真珠より美しい朝露のように
心に悲しみが実るとき
朝の丘に登り 微笑みを学ぶ
太陽は墓地の上に赤く昇り
真昼の暑さは私の試練か
私は行く 荒れ果てた荒野へ
悲しみ振り捨て私は行く
※カセットアルバム「キム・ミンギを歌う」/シングル「朝露/ありがとういのち」/ アルバム「李政美LIVE2011―いのちの讃歌」所収
※'03年12月、韓国原州コンサートのパンフに寄せた李政美の文章『「朝露」と金敏基さんのこと』

あなたが欲しい
~JE TU VEUX


作詞:アンリ・パコリ
作曲:エリック・サティ
訳詞:李政美
*恋に苦しむいとしい人
  あなたの想い 受けとめてあげる
  寝ても覚めてもあなただけよ
  夢に見る愛の喜び あなたが欲しいの

  けして悔やまない
  願いはひとつ
  あなたとふたりで
  ずっと生きて行くの

  こころとこころ
  かよわせたいの
  ふたりのからだ 
  ひとつになるように

*恋に苦しむいとしい人
  あなたの想い 受けとめてあげる
  寝ても覚めてもあなただけよ
  夢に見る愛の喜び あなたが欲しいの

  あなたの願いは
  永久(とわ)の約束
  あなたの望みは
  私のやさしい愛撫

  きつく抱き合い
  いのち燃やしましょ
  愛の喜びで
  こころ解き放つように

*恋に苦しむいとしい人
  あなたの想い 受けとめてあげる
  寝ても覚めてもあなただけよ
  夢に見る愛の喜び あなたが欲しい

あなたが笑っていると

作詞・作曲:李政美
あなたが笑っていると
なんだかうれしくなります
あなたが泣いていると
なんだか悲しくなります
あなたが苦しんでいると
なんだか胸が痛くなります
どうしてかな
どうしてなのかな
なんだかとっても不思議なんです

あなたが大好き
あなたが大好き
あなたがそばにいても
あなたが遠くにいても
あなたが生きていてくれるだけで
ただ、それだけで
私はとっても幸せなんです

lu lu lu lu ・・・・

あなたが生きていてくれるだけで
ただ、それだけで
私はとっても幸せなんです

※.アルバム「オギヤディヤ」所収

あなたの墓のそばに

詩:ト・ジョンファン
訳詞作曲:李政美
訳詞協力:訳詞大田雅一

1あなたの墓のそばに なでしこの花供えてくれば
 あなたは雲となり あの山越えて 私についてきて

2あなたの墓の前に 弔いの火を焚いてくれば
 あなたは宵闇の 星となり 私についてきて

スキャット

3あなたの墓のそばに 歌をひとつ残してくれば
 あなたは草むらの虫の音となり 戸口(いえ)までついてきて

4あなたの墓の上に 涙一粒こぼしてくれば
 あなたは降りそそぐ雨となり 肌にしみ通ってくる

スキャット

(朝鮮語の原詞)
1Tang-sin-eui mu-deom-ka-e phae-raeng-i-kkoch tu-go o-myeon
 Tang-sin-eun ku-reum-eu-ro si-ru-bong neom-eo nal tta-ra-o-go

2Tang-sin-eui mu-deom aph-e so-ji han jang ol-li-go o-myeon
 Tang-sin-eun cho-jeo-nyeok-pyeol-eul teul-go nae twi-reul tta-ra-o-go

3Tang-sin-eui mu-deom-ka-e no-rae han jul nam-gi-go o-myeon
 Tang-sin-eun phul-beol-le ul-eum-eu-ro mun-gan-kka-ji tta-ra-o-go

4Tang-sin-eui mu-deom wi-e nun-mul han ol teon-ji-go o-myeon
 Tang-sin-eun pis-jul-gi toe-eo sok-sal-e jeoj-eo-o-ne

※アルバム「オギヤディヤ」/アルバム「李政美LIVE2011―いのちの讃歌」所収

  あなたをはなさない

作詞・作曲:李政美
長い旅を続けて
やっとあなたにたどり着いた
暗闇の中さまよった夜も
息ができないほどの孤独も
今はもう忘れてしまったよ
あなたがそばにいるだけで
あなたが生きているだけで
ほら、世界が輝いて見える
いとしい人、かけがえのない人
あなたをもうはなさない

出会った時から
いつもあなたが見守ってくれた
私の心縛る呪文解く鍵を
あなたが持ってたこと
ずっと私は気づかずにいたの
あなたがそばにいるだけで
あなたが生きているだけで
今私は自由に羽ばたける
いとしい人、かけがえのない

 荒川

詩:崔華国
曲:李政美
丈なす葦をかきわけ岸辺におりる
西瓜の匂いを含んだたそがれの川風は
姉(ヌナ)の裳(チマ)のようにやさしかった
葛飾の低い空もやさしかった
朽ちた伝馬船に寝っころがって目をとじよ
風が運んでくる 母と姉の囁きに耳をかたむけよう
サララ 生きるのだ
サララ 生きるのだ
チャララ 育つのだ
チャル チャララ 立派に育つのだ
サワラ 闘うのだ
サワサワ がんばれ がんばれ
チャラ おやすみ
チャル チャラ 安らかにおやすみ
 
 
ありがとう いのち

作詞・作曲:ヴィオレータ・パラ
訳詞:高橋悠治
Gracias a la vida
que me ha dado tanto
me dio dos luceros
que cuando los abro
perfecto distingo
lo negro del blanco
y en el alto cielo su fondo estrellado
y en las multitudes
el hombre que yo amo.

ありがとういのち おまえがくれた
ふたつの瞳がひらくときは
見分けられる 黒と白を
遥か空の彼方、星まで
人ごみのなか あの人も

ありがとういのち おまえがくれた
耳はいつも働き続け
きざみこむ コオロギ、カナリヤ、
ハンマー、タービン、犬や時雨も
やさしいあの人の声も

ありがとういのち おまえがくれた
音や文字を また、言葉を
考えたこと言える言葉
母や友や兄弟や
輝くあなたの魂のみちすじ

ありがとういのち おまえがくれた
足は疲れ、歩き続ける
町並みを、水溜まりを
海や砂漠や山、野原、
あなたの住む家や庭も

ありがとういのち おまえがくれた
心は震え、押さえきれない
人の考えが創り出すもの
良いものと悪いものの隔たり
あなたの明るい瞳を見て

ありがとういのち おまえがくれた
笑いと涙で見分けられる
幸せと不幸せを
私のうたがそこで生まれる
あなたと私を結ぶうたが
みんなと私を結ぶうたが
※シングル「朝露/ありがとういのち」/アルバム「李政美LIVE2011―いのちの讃歌」所収
※Violeta Parra とは

ありのままのわたし


作詞・作曲:李政美
灰色の心に似合わない服着て
うつむいて歩いてた昨日の私
凍りついた翼 心を縛る呪文
ひとつひとつ解いてあげよう

ありのままの自分を愛しさえすればいい
ほら、心がこんなに澄んでくる
ありのままの自分を愛しさえすればいい
ほら、目に映る世界は新しい
ありのままの自分を愛しさえすればいい
ほら、すべてのいのちがいとおしい

誰も信じられずに暗闇の中さまよっている
明日はきっと生まれ変われる

ありのままの自分を愛しさえすればいい
ほら、心がこんなに澄んでくる
ありのままの自分を愛しさえすればいい
ほら、目に映る世界は新しい
ありのままの自分を愛しさえすればいい
ほら、すべてのいのちがいとおしい
※アルバム「わたしはうたう」所収

アリラン

朝鮮民謡
訳詞:大田雅一

アリラン、アリラン、アラリヨ。
アリラン峠を越えてゆく。
私を捨ててゆかれるあなたは
十里もゆけずに足が病む。

(朝鮮語)
アリラン、アリラン、アラリヨ。
A-ri-rang, a-ri-rang, a-ra-ri-yo.
アリラン・コゲロ・ノモガンダ。
A-ri-rang ko-gae-ro neom-eo-gan-da.
ナルル・ポリゴ・カシヌン・ニムン
Na-reul peo-ri-go ka-si-neun nim-eun
シムニド・モッカソ、パルビョンナンダ。
Sip-ri-do mos-ka-seo pal-byeong-nan-da.

※アルバム「李政美LIVE2011―いのちの讃歌」

あれから2千年

作詞・作曲:李政美

あれから2千年 私たちは
平和をもとめて歩いてきた
愚かな戦い終わる日が
明日はきっと来ると信じて

殺し合い傷ついた兵士たち
いとしい人の帰りを待つ女たち
家をなくしたこどもたち

明日はあたたかいふとんの中で
ぐっすり眠ることができますように

Merry Merry Christmas and Happy New Year

あれから2千年 私たちは
豊かさをもとめて歩いてきた
飢えも貧しさもなくなる日が
明日はきっと来ると信じて

ふるさとを捨てた男たち
道端に立ち尽くす女たち
お腹を空かせたこどもたち

明日はあたたかいふとんの中で
ぐっすり眠ることができますように

Merry Merry Christmas and Happy New Year

あれから2千年 私たちは
幸せををもとめて歩いてきた
科学と文明がいのちを耕す日が
明日はきっと来ると信じて

疲れ果てた都会の戦士たち
虚飾に飽いた女たち
死に急ぐこどもたち

明日はあたたかいふとんの中で
ぐっすり眠ることができますように

Merry Merry Christmas and Happy New Year


※シングル「あれから二千年/おいでみんなここへ」所収

  生きようよ

詩:山田泉
曲:李政美


山から朝日がのぼるまち
海に夕日がしずむまち
このまちの小さなおかしやで
私はいのちをもらったの

みんな私を知ってるの
私もみんな知ってるの
やさしい笑顔のこのまちで
心をいっぱいもらったの

楽しいときには笑ったの
かなしいときには泣いてたの
子どもの弱さが愛しくて
大人の強さがかなしくて

いつも子どもとともにいて
いつも子どもに支えられて
幸せもらって生きてきた
ここにいたいのこのままずっと

桜が風に舞うように
いのちも流れて大空へ
失いかけて見えてくる
生きてる今 いのちの重さ

はじまりはいつも笑顔なの
芽吹いたばかりのあなただから
かけがえのないいのちをだいて
助け合おうよ 生きていこうよ

今の私にできること
小さないのちをうたうこと
生きようよ このまちで
生きたいの あなたと
限りあるこの時を
生きようよ 支えあって

※アルバム「李政美LIVE2011―いのちの讃歌」所収

  いつもそばにいるよ

作詞・作曲:李政美

目を閉じれば君の声が聞こえる
目を閉じれば君の笑顔が浮かぶよ
いつもそばにいるよ
いつもそばにいるよ、と

君がいた場所はいつも輝いていた
君がいた場所はいつも暖かかった

いのちを輝かせて生きること
誰かのために涙流すこと
君が教えてくれた

会えなくなって
心の中に今一緒に生きてると感じるよ
君が蒔いた種が
心の中に今きれいな花咲かせてるよ

目を閉じれば君の声が聞こえる
目を閉じれば君の笑顔が浮かぶよ
いつもそばにいるよ
いつもそばにいるよ、と

祈り

作詞:山尾三省
作曲:李政美

南無浄瑠璃光
海の薬師如来
われらの病んだ心身を 癒したまえ
その深い 青の呼吸で 癒したまえ

南無浄瑠璃光
山の薬師如来
われらの病んだ欲望を 癒したまえ
その深い 青の呼吸で 癒したまえ

南無浄瑠璃光
川の薬師如来
われらの病んだ眠りを 癒したまえ
その深い せせらぎの音に やすらかな枕を 戻したまえ

南無浄瑠璃光
われら人の内なる薬師如来
われらの病んだ科学を 癒したまえ
科学をして すべてのいのちに奉仕する 手だてとなしたまえ

南無浄瑠璃光
樹木の薬師如来
われらの沈み悲しむ心を 祝わしたまえ
その立ち尽くす 青の姿に
われらもまた静かに 深く立ち尽くすことを 学ばせたまえ

(南無浄瑠璃光
風の薬師如来
われらの閉じた呼吸を 解き放ちたまえ
その大いなる 青の道すじに 解き放ちたまえ)

(南無浄瑠璃光
虚空なる薬師如来
われらの怖れ乱れる心を 鎮めたまえ
その限りない 青の透明に 鎮めたまえ)

南無浄瑠璃光
大地の薬師如来
われらの病んだ文明を 癒したまえ
その深い 青の呼吸の あなたご自身を あらわしたまえ

オンコロロ センダリマトウギ ソワカ
※アルバム「わたしはうたう」/アルバム「李政美LIVE2011―いのちの讃歌」所収

イマココニイルヨ

作詞:李政美
作曲:おーまきちまき


*アナタトワタシイマココニイルヨ
 アナタトワタシイマココニイルヨ

1 生まれた場所も
  息をしてる場所も
  遠く離れていても
   *アナタトワタシイマココニイルヨ
     アナタトワタシイマココニイルヨ

2 この星のかたすみ
  花の種蒔いて
  小さな歌をうたってる
   *アナタトワタシイマココニイルヨ
     アナタトワタシイマココニイルヨ

3 せつなさも喜びも
  時を、空を越えて
  響き合う不思議
   *アナタトワタシイマココニイルヨ
     アナタトワタシイマココニイルヨ(繰り返し)

※アルバム「オギヤディヤ」所収

イマジン
IMAGINE

作詞・作曲:John Lenon
訳詞:李政美


Imagine there's no heaven
It's easy if you try
No hell below us
Above us only sky
Imagine all the people
Living for today....

Imagine there's no countries
It isn't hard to do
Nothing to kill or die for
And no religion too
Imagine all the people
Living life in peace....

Imagine no possessions
I wonder if you can
No need for greed or hunger
A brotherhood of man
Imagine all the people
Sharing all the world....

You may say I'm a dreamar
But I'm not the only one
I hope someday you'll join us
And the world will live as one


想ってごらん
天国なんかないって
地獄もありはしない
見上げれば空があるだけ
みんなが今日のために
生きているって

想ってごらん
愛する国のために
信じる神のために
殺しあうことはない
みんなが平和に
生きているって

想ってごらん
持つものなんか何もなくて
奪い合うこともない
僕らは兄弟だから
みんながこの世界を
分かち合ってるって

夢なんかじゃないって
君も気づくはず
みんなの願いがいつか
世界をひとつにする

 イムジン河
임진강

作詞:朴世永
作曲:高宗漢
補詩:李政美
(1957年)


임진강 맑은 물은 흘러 흘러내리고
물새들 자유로이 넘나들며 날건만
내 고향 남쪽 땅 가고파도 못 가니
임진강 흐름아 원한 싣고 흐르느냐

강 건너 들판에선 황금물결 춤추고
뛰어노는 아이들소리 저하늘에 울려라
내 고향 북녘땅 그리운 우리 형제여
임진강 흐름아 염원 싣고 흐르느냐

헤어진 우리 겨레 다시 만나 얼싸 안으리
임진강 흐름아 염원 싣고 흘러라
임진강 흐름아 염원 싣고 흘러라

イムジン河の清い水は流れ行き
水鳥は自由に飛び交うのに
我が故郷南の地 行きたくても行かれないから
イムジン河の流れよ 怨みをのせて流れて行くのか

河向こうの野原では黄金の波が舞い
子どもたちの遊ぶ声大空に響け
我が故郷北の地懐かしい我が兄弟よ
イムジン河の流れよ 願いをのせて流れて行け

離ればなれの我が同胞よ また合って抱き合おう
イムジン河の流れよ 願いをのせて流れて行け

※アルバム「李政美LIVE2011―いのちの讃歌」所収

ウナイノチカラ


作詞:ナビィ
作曲:李政美


遠く離れていても
私にはあなたがわかる
ぬくもりをいつも感じているよ

星のない夜の海
小さな灯りをもとめ
さ迷ってもあなたを思い出せば

いつの日もつながっている
いつまでもつながっている

遠く離れていても
それぞれの道歩いていても
同じ願い いつも心はひとつ

哀しみを歌い
喜びを踊り
世界を彩るよ

希望を歌い
祈りを踊り
輪となれウナイノチカラ



*「ウナイ」は琉球の言葉で姉妹の意。寿のヴォーカル・ナビィに「ウナイノチカラ」というテーマで詩を作ってとリクエストしてできた曲。海でさ迷う漁師を、「ウナイガミ」が光の方に導いて救うという、琉球に伝わる伝説をイメージして作詞してくれた。この時代のウナイガミ―原発いらない福島の女たち―への尊敬をこめて、2013年2月の福島ツアーのタイトルを「輪となれウナイノチカラ」にした。(李政美)

奪われし野にも、
春は来るのか


李相和の同名の詩より
曲:パク・キュベク
Na-neun on-mom-e haes-sal-eul pat-ko
ナヌン・オンモメ・ヘッサルル・パッコ

phu-reun ha-neul phu-reun teul-i maj-puth-eun gos-eu-ro
プルン・ハヌル・プルン・ツゥリ・マップトゥン・ゴスロ

ka-reu-ma gath-eun non-gil-eul tta-ra kkum sog-eul ka-deus
カルマ・ガットゥン・ノンギルル・タラ・クム・ソグル

jeong-sin eops-i keol-eo gan-da, keol-eo-man gan-da.
チョンシン・オプシ・コロガンダ、コロマン・カンダ。

keu-reo-na ji-geum-eun -- teul-eul ppae-as-kyeo
クロナ・チグムン - ツゥルル・ペアッキョ

pom-jo-cha ppae-ass-ne ppae-as-ki-gess-ne.
ポムヂョチャ・ペアンネ、ペアッキゲンネ。

(李政美訳)私は体中に 日射しを浴びて
        青空と 青い野が 交わるはざまを
        一筋のあぜ道を 夢見るように
        あてもなく 歩いていく
        だけど今は野を奪われ
        春さえも奪われてしまった

おいで、みんなここへ

作詞:佐古和枝 作曲:李政美
おいで さあ みんな ここへ
この坂をのぼったら 海がみえるから

海のむこうから
なつかしい風がふく
長い 長い 時をこえて
なつかしい風がふく

耳をすませば 聞こえてくる
誰も知らない 遠い昔の物語
あなたの影と わたしの影が
揺れて 揺れて 揺れて
ひとつになっていく

おいで さあ みんな ここへ
この坂をのぼったら 希望がみえるから

木漏れびのむこうから
なつかしい声がする
遠い 遠い くにからの
なつかしい声がする


思い出して みてごらん
誰も知ってる 遠い昔の物語
涙の数と 喜びの数
数え 数え 数え
ひとつになっていく

おいで さあ みんな ここへ
この坂をのぼったら 海がみえるから


おいで さあ みんな ここへ
この坂をのぼったら 希望がみえるから
この坂をのぼったら 希望がみえるから
※シングル「あれから二千年/おいでみんなここへ」所収

大銀杏の樹

作詞・作曲:李政美
1冬日の射す畑には
 霜柱が光ってる
 白い息をはきながら
 声を張り上げてうたう
 二人乗りの自転車を
 道行く人が振り返る

 神社の入り口にたつ
 大銀杏の樹が見えてきた
 背中のぬくもり感じながら
 自転車のペダルをこぐ

 いってらっしゃい、と見上げるあなたに
 行って来るね、と手を振る

2暮れなずむ空にはもう
 一番星が光ってる
 笑い泣きはしゃぐこどもらの
 声がしみこんだ部屋の中
 あなたはぽつんとひとり
 何をして待ってるのだろう

 神社の入り口にたつ
 大銀杏の樹が見えてきた
 私は息をはずませながら
 自転車のペダルをこぐ

 おかえり、と駆けよるあなたを
 ただいま、と抱きしめる

 神社の入り口にたつ
 大銀杏の樹が揺れている
 背中のぬくもり感じながら
 自転車のペダルをこぐ

※.アルバム「オギヤディヤ」所収

オギヤディヤ

作詞・作曲:李政美
悲しみの海に 小さな舟浮かべて
波にのまれて沈まないように
希望の歌 うたいながら
さあ、舟を漕ぎ出そう

オギヤディヤ オギヨチャー
オギヤディヤ オギヨチャー

星もない暗い夜 さまよい疲れはてても
風がそっと肩押してくれる
きっと明けない夜はないと
雲の切れ間から月がほほえむ

オギヤディヤ オギヨチャー
オギヤディヤ オギヨチャー

※アルバム「オギヤディヤ」所収

おてんとうさま ありがとう

作詞・作曲:李政美
おてんとうさまありがとう
今日もこんなに気持ちのいい汗を流して
働けること、あなたのおかげ

おてんとうさまありがとう
今日もこんなに気持ちのいい汗を流して
遊べること、あなたのおかげ

風吹けば、ゆらりゆらゆら風(ブランコ)まかせ
雨降れば、傘もささずに濡れて行こう
明日はどんなお天気かな
なんだかとっても楽しみ
※アルバム「わたしはうたう」所収

 母さん、姉さん
엄마야 누나야

詩:金素月
訳詩:李政美
作曲:安聖鉉
(1922年)
엄마야 누나야 강변 살자
뜰에는 반짝이는 금모래빛
뒷문 밖에는 갈잎의 노래
엄마야 누나야 강변 살자

母さん、姉さん、川辺に住もう
庭にはピカピカ金の砂
背戸の外では葦の葉の歌
母さん、姉さん、川辺に住もう

 旧アリラン
구 아리랑


京幾道民謡
訳詞:李政美

아리랑 아리랑 아라리요
아리랑 고개로 넘어간다

산좋고 물맑은 금수강산
꽃피고 새 우니 봄철일세

아리랑 아리랑 아라리요
아리랑 고개로 넘어간다

청천 하늘엔 잔별도 많고
우리네 가슴엔 수심도 많다


アリラン アリラン アラリヨ
アリラン峠を越えて行く

山青く水清い我が山河
花は咲き鳥が鳴く春が来た

アリラン アリラン アラリヨ
アリラン峠を越えて行く

蒼い空には星がいっぱい
私の心には希望がいっぱい

悲しみ歌え

作詞:池田香代子
作曲:李政美
いとしいお前 悲しみ歌え
蜘蛛の巣に光る 雨粒によせて
いとしいお前 悲しみ歌え
いつしか わたしの心も 歌い出す
この悲しみが いとしいと

いとしいお前 いかりを歌え
蜘蛛の巣にもがく ちょうちょによせて
いとしいお前 いかりを歌え
いつしか わたしも 歌い出す
このいかりが いとしいと

いとしいお前 愚かさ歌え
蜘蛛の巣こわした その手によせて
いとしいお前 愚かさ歌え
いつしか わたしの心も 歌い出す
この愚かさが いとしいと

いとしいお前が 歌うとき
悲しみも いかりも 愚かさも
あしたにつづく 道になれ

いとしいお前 喜び歌え
お前のために わたしのために
いとしいお前 喜び歌え
いつしか わたしの心も 歌い出す
生きていることが いとしいと

キーンアリラン

朝鮮民謡
アリラン アリラン アラリロクリョ
アリラン アリオルス アラリロクリョ

万頃蒼波にぽっかり浮かぶ船
そこに錨をおろしておくれ
道を尋ねてみましょうか

アリラン峠に旅籠屋を建てて
いとしい人の帰りを
ずっとずっと待ち続けましょう

アリラン アリラン アラリロクリョ
アリラン アリオルス アラリロクリョ

君死にたまふことなかれ

詩:与謝野晶子
曲:李政美
あゝをとうとよ、君を泣く
君死にたまふことなかれ、
末に生れし君なれば
親のなさけはまさりしも、
親は刃をにぎらせて
人を殺せとをしへしや、
人を殺して死ねよとて
二十四までをそだてしや。

堺(さかひ)の街のあきびとの
舊家(きうか)をほこるあるじにて
親の名を繼ぐ君なれば、
君死にたまふことなかれ、
旅順の城はほろぶとも、
ほろびずとても、何事ぞ、
君は知らじな、あきびとの
家のおきてに無かりけり。

君死にたまふことなかれ、
すめらみことは、戰ひに
おほみづからは出でまさね、
かたみに人の血を流し、
獸(けもの)の道に死ねよとは、
死ぬるを人のほまれとは、
大みこゝろの深ければ
もとよりいかで思(おぼ)されむ。

あゝをとうとよ、戰ひに
君死にたまふことなかれ、
すぎにし秋を父ぎみに
おくれたまへる母ぎみは、
なげきの中に、いたましく
わが子を召され、家を守(も)り、
安(やす)しと聞ける大御代も
母のしら髮はまさりぬる。

暖簾(のれん)のかげに伏して泣く
あえかにわかき新妻(にひづま)を、
君わするるや、思へるや、
十月(とつき)も添はでわかれたる
少女ごころを思ひみよ、
この世ひとりの君ならで
あゝまた誰をたのむべき、
君死にたまふことなかれ。

君のともだち
(You've got a friend)

作詞・作曲:キャロル・キング
訳詞:李政美
打ちのめされて
愛が欲しい時
何もかもあきらめず
私を思い出して
すぐ飛んで行って
暗い夜照らす光になろう 

*どこにいても
 名前を呼ぶだけで 
 駆けつける、君に会いに
 冬も、春、夏、秋も 
 呼んでくれさえすれば
 飛んで行く、そう
 友だちだから

君の心に
雲がたちこめて
冷たい風が吹きつけても
自分を見失わないで
私の名を呼んで
すぐに君のもとへ行く



どんな時もあなたには
友だちがいる
傷つき、見捨てられ
心奪われても
きっと守るから



(12/22/97)

You've got A Friend By Carole King

When you're down and troubled
and you need a helping hand
and nothing, oh nothing is going right,
close your eyes and think of me
and soon I will be there
to brighten up even your darkest night.

You just call out my name
and you know wherever I am
I'll come running, oh yeah baby, to see you again.
Winter, spring, summer or fall,
all you got to do is call
and I'll be there yeah yeah yeah
you've got a friend.

If the sky above you
should turn dark and full of clouds
and that old north wind should begin to blow,
keep your head together
and call my name out loud now
soon I'll be knocking upon your door.
You just call out my name
and you know wherever I am
Iエll come running, oh yes I will, to see you again.

Winter, spring, summer or fall,
all you got to do is call
and I'll be there yeah yeah yeah.

Ain't it good to know
that you've got a friend
people can be so cold
they'll hurt you and desert you
well they'll take your soul if you let them
oh yeah don't you let them.

You just call out my name
and you know wherever I am
I'll come running to see you again
Oh baby don't you know now.
Winter, spring, summer or fall,
hey, now, all you gotta do is call
cos I'll be there yeah yeah yeah

you've got a friend, you've got a friend yeah,
ain't it good to know you've got a friend
ain't it good to know you've got a friend
Oh yeah yeah, you've got a friend
.

京成線

作詞・作曲:李政美
重くよどんだ 川の水に
四両の短い影 映しながら
今日も走るよ 京成線

低い鉄橋の その下には
埋もれたままの 悲しみ眠る
エヘイヨ エヘイヨ

灰色の煙吐き出す車
高くそびえ立つ高速道路の下
くぐり抜けてく 京成線

川向こうから 吹く風は
なつかしい匂い 運んでくる
エヘイヨ エヘイヨ

顔も知らない ハルモニ、ハラボジ
いくつものアリラン峠越えて
辿り着いたこの町

京成線に乗って帰ろう
この町もまたふるさと
※アルバム「わたしはうたう」/ アルバム「李政美LIVE2011―いのちの讃歌」所収

 故郷の春
고향의 봄


作詞:李元寿
訳詞:李政美
作曲:洪蘭坡
(1928年)
나의 살던 고향은 꽃피는 산골
복숭아꽃 살구꽃 아기진달래
울긋불긋 꽃대궐 차리인 동네
그 속에서 놀던 때가 그립습니다

꽃동네 새동네 나의 옛고향
파란들 남쪽에서 바람이 불면
냇 가에 수양버들 춤추는 동네
그 속에서 놀던 때가 그립습니다


私が住んでた故郷は 花咲く山里
桃の花、杏の花、姫つつじ
お城のように色とりどりに飾られた村
その中で遊んだ頃が懐かしい

花の村、鳥の村、私のふるさと
緑の野原に南風が吹けば
川辺のしだれ柳が踊る村
その中で遊んだ頃が懐かしい

湖上

作詞:中原中也
作曲:李政美

1ポッカリ月が出ましたら、
 舟を浮かべて出掛けませう。
 波はヒタヒタ打つでせう。
 風も少しはあるでせう。

 沖にでたらば暗いでせう。
 櫂(かい)から滴垂る(したたる)水の音は
 眤懇しい(ちかしい)ものに聞こえませう、

――あなたの言葉の社切れ間を。

2月は聴き耳立てるでせう、
 すこしは降りても来るでせう。
 われら接唇(くちづけ)する時に
 月は頭上にあるでせう。

 あなたはなほも、語るでせう。
 よしないことや拗言(すねごと)や、
 洩らさず私は聴くでせう、

――けれど漕ぐ手はやめないで。

3ポッカリ月が出ましたら、
 舟を浮べて出掛けませう、
 波はヒタヒタ打つでせう、
 風も少しはあるでせう。
※アルバム「オギヤディヤ」/ アルバム「李政美LIVE2011―いのちの讃歌」所収

子守唄

作詞・作曲:李政美
アガヤ チャヂャン ウリアギ チャヂャン
なぜあなたは ここへ来たの
何を学ばせるために ここへ来たの

アガヤ チャヂャン ウリアギ チャヂャン
腕の中眠る かわいい子よ
いとおしい かけがえのない小さな命

アガヤ チャヂャン ウリアギ チャヂャン
あなたの涙、輝く笑顔
胸しめつけ、喜びに私を酔わす

アガヤ チャヂャン ウリアギ チャヂャン
いつかあなたも さなぎ脱ぎ捨てて
光の中自由にはばたくでしょう
※アルバム「わたしはうたう」所収

サマータイム

作詞:D・ヘイワーズ
作曲:G・ガーシユイン

サマータイム、生きることは楽だわ
魚がピョンピョン跳ねて、綿は豊作よ
あなたのパパはお金持ちでママは美人
だからかわいい子よ、泣かないで

いつかの朝
あなたは歌をうたいながら 目を覚ますわ
そして翼を広げて
大空に飛び立つでしょう
だけどその朝が来るまで
誰もあなたを傷つけられやしない
パパとママが見守ってくれているから

十九の春

沖縄民謡
私があなたに惚れたのは ちょうど十九の春でした
いまさら離縁と言うならば もとの十九にしておくれ

もとの十九にするならば 庭の枯れ木を見てごらん
枯れ木に花が咲いたなら 十九にするのもやすけれど

見捨て心があるならば 早くお知らせ下さいね
歳も若くあるうちに 思い残すな明日の花

一銭二銭の葉書さえ 千里万里と旅をする
同じコザ市に住みながら 会えぬ我が身の刹那さよ

主さん主さんと呼んだとて 主さんにゃ立派な方がある
いくら主さんと呼んだとて 一生忘れぬ片思い

奥山住まいのうぐいすが 梅の小枝で昼寝して
春が来るよな夢を見て ホケキョホケキョと泣いていた

主よ、人の望みの喜びよ

曲:J・S・バッハ
訳詞:林 光

私は幸せ あなたがいるから
悲しいときには あなたが慰め
私を愛して 代わりに苦しむ
あなたを離さない どんなときにも

変わらぬ喜び 潤う心
あなたに守られ 私は生きる
お日様のような 宝石のような
あなたを離さない どんなときにも
*カンタータ第147番 Herz und Mund und Tat und Leben (「心と口と行ないといのち」)より

 序詩
서시


詩:尹東柱
訳詩:李政美
作曲:李政美
(詩/1941年)

죽는 날까지 하늘을 우러러
한 점 부끄럼이 없기를,
잎새에 이는 바람에도
나는 괴로워했다.
별을 노래하는 마음으로
모든 죽어 가는 것을 사랑해야지.
그리고 나한테 주어진 길을
걸어가야겠다.

오늘 밤에도 별이 바람에 스치운다.


死ぬ日まで天を仰ぎ
一点の恥もないことを、
葉あいに立つ風にも
私は心痛めた。
星を歌う心で
すべての死に行くものを愛さなければ
そして私に与えられた道を
歩いていかねばならない。

今夜も星が風に吹きさらされる。

せつなさのむこう

作詞・作曲:李政美
出会いの喜び
あなたに伝えたい
目に映るすべてのもの
こんなにもいとおしい
でも、好きと思う気持ちさえ
私を縛る
せつなさの向こうに何があるの

今、どこにいて
何を感じてるの
人込みの中 立ち止まって
あなたを思い出す
でも、会いたいという気持ちさえ
私を縛る
せつなさの向こうに辿り着きたい

永遠も約束も何もいらないから
今、響き合う喜び 感じていたいだけ

永遠も約束も何もいらないから
今、響き合う喜び 大切にしたいだけ
※アルバム「わたしはうたう」所収

セノヤ

作詞:高銀
作曲:?
*原詞は朝鮮語

(日本語訳)
セノヤ セノヤ
山と海に私たちは暮らして
山と海に私たちは帰るよ

セノヤ セノヤ
うれしいことならば山に捧げ
悲しいことならばニムがもらうよ

セノヤ セノヤ
うれしいことならば海に捧げ
悲しいことならば私がもらうよ
※アルバム「わたしはうたう」所収

 そのままで大丈夫

作詞:土井美加
作曲:李政美
~わたらっぱん婦人商会のテーマ~
大丈夫、大丈夫、私は大丈夫
電車のドアに額をつけて
自分に言ってみた
何処まで乗れば 降りられるのか
次の駅が来たら 降りるつもり

大丈夫、大丈夫、私は大丈夫
背中に手のひら暖かかった
ぬくもり忘れないよ
このドアが開いたら きっと踏み出せる
ほら、ホームが見えてきた 一歩踏み出そう

わたしはわたしのままで
あなたはあなたのままで
そのままで大丈夫 
さあ、歩いてみよう
とりあえず歩いていこう
ずんずん歩いていこう
行き先なんか知らないけれど

ソーリング(はばたき)

作詞・作曲:クリス・ウィリアムスン
感じる 向かい合う力
二人でいても 一人でいても
愛、心はばたき 注ぎ満ちるあなたへ
自分を失う辛いときに
あなたは来て素顔の私 見せてくれた あなたは鏡
そばにいると のびやかに時は刻む

Meeting myself in the mirror
Finding myself getting much clearer

陽の光あびて二人
心はふれあい響きあって
自由、心はばたき 愛をのせてあなたへ
自分を失う辛いときに
あなたは来て素顔の私 見せてくれた あなたは鏡
そばにいると のびやかに時は刻む

Soaring, soaring...

つかみ取る人生

 他郷暮らし
타향 살이


作詞:金能人
訳詞:李政美
作曲:孫牧人
(1933年)

타향살이 몇해던가 손꼽아 헤여보니
고향떠난 십여년에 청춘만 늙어

부평같은 내신세가 혼자도 기막혀서
창문열고 바라보니 하늘은 저쪽

고향앞에 버드나무 올봄도 푸르련만
버들피리 꺽어불던 그때는 옛날

타향이라 정이 들면 내 고향 되는 것을
가도 그만 와도 그만 언제나 타향


他郷暮らし幾年 指折り数えてみれば
故郷を離れて十数年 青春は老い果て

浮き草の様なこの身 独りで息がつまり
窓を開けて眺めてみれば 空は遥か彼方

故郷の前の柳の木 今年の春も青かろう
草笛を折って吹いた あれはもう昔

他郷と言えども情が移れば 故郷になるものを
行っても来てもそれきり いつまでも他郷

 旅人の悲しみ
나그네 설움


作詞:高麗星
訳詞:李政美
作曲:李在鎬
(1939年)

오늘도 걷는다마는 정처 없는 이 발길
지나온 자욱마다 눈물 고였다
선창가 고동 소리 옛님이 그리워도
나그네 흐를 길은 한이 없어라

타관땅 밟아서본지 십년 넘어 반 평생
사나이 가슴속에 한이 서린다
황혼이 찾아들면 고향도 외로워라
눈물로 꿈을 불러 찾아도 보네

낯익은 거리다마는 이국보다 차거워
가야할 지평선엔 태양도 없어
새벽별 찬서리가 뼈골에 스미는데
어디로 흘러거랴 흘러 갈소냐


あてどもないこの道 
今日も歩いてきたけれど
足跡ごとに涙がにじむ
船の鼓動にあなたを思い出す
旅人の流れていく道終わり無し

他郷の地を踏み十年過ぎ早や半生
男の胸に恨(ハン)が積もる
黄昏せまれば故郷も恋しい
涙で夢を呼び、訪ねてみよう

見慣れた町なのに異国より冷たい
行くべき地平線には太陽もなく
夜明けの冷たい霜が骨身に沁みる
流れ流れてどこへ行く

小さな空

作詞・作曲:武満徹
1 青空みたら 綿のような雲が
  悲しみをのせて 飛んでいった
  いたずらが過ぎて 叱られて泣いた
  こどもの頃を 憶いだした

2 夕空みたら 教会の窓の
  ステンドグラスが 真赤に燃えてた
  いたずらが過ぎて 叱られて泣いた
  こどもの頃を 憶いだしたた

3 夜空をみたら 小さな星が
  涙のように 光っていた
  いたずらが過ぎて 叱られて泣いた
  こどもの頃を 憶いだした

 Danny Boy

詞:ウェザリィ
曲:アイルランド民謡
訳詞:李政美

Oh Danny Boy, the pipes, the pipes are calling
From glen to glen, and down the mountain side
The summer's gone, and all the roses falling
'Tis you, 'tis you must go and I must bide
But come ye back when summer's in the meadow
Or when the valley's hushed and white with snow
'Tis I'll be here in sunshine or in shadow
Danny Boy, oh Danny Boy, I love you so

おお ダニーボーイ 笛の音が呼ぶよ あの山を谷を越え
夏は去り バラの花も散り 行く君送る時が来た
必ずかえってきておくれ 晴れの日も 翳る日にも
私はここで待っている
おお ダニーボーイ 愛しい子よ

The water is wide


作詞・作曲:不詳
(スコットランド民謡)
訳詞:李政美


The water is wide.
I can't cross over.
And neither have I wings to fly.
Give me a boat that can carry two.
And both shall row,my love and I.

Oh,love is gentle and love is kind.
The sweetest flower when first it's new.
But love grows old and waxes cold.
And fades away like morning dew.

There is a ship and she sails the sea.
She's loaded deep as deep can be.
But not as deep as the love I'm in.
I know not how I sink or swim.

向こう岸は遙か彼方
飛んで行く翼もない
私と愛する人
運ぶ舟ください

愛は優しく、愛はあたたか
はじまりはいつも甘やか
でもいつか愛は色あせ
輝きさえ消えてゆく

さあ舟を漕ぎだそう
波は荒く櫓は重くても
この愛の深さに
おぼれることも怖れずに


※アルバム「李政美LIVE2011―いのちの讃歌」所収

チビチリガマの歌

*原詩は沖縄のウチナーグチ
作詞:金城実
作曲:小室等

戦世のあわれ (イクサユ ヌ アワリ)
物語ってください (ムヌガタテタボリ)
童孫世に (ワラビシマゲユニ)
語ってください (カタテタボリ)

泣くなチビチリよ 平和な世を願って・・

珍道(チンド)アリラン

朝鮮民謡
訳詞:大田雅一

アリアリラン、スリスリラン、アラリが出たよ。
アリラン、ンンン、アラリが出たよ(囃し言葉)。

聞慶鳥峠は、なんたる峠か。
くねるよ、くねくね、涙が出るよ。

遊びながら行こう、遊びながら行こう。
あの月がのぼって沈むまで、遊びながら行こう。

はるか大海原に、ぷかぷかと浮かぶ船。
えんやこら、えんやこら、櫓を漕げよ。


(A-ri a-ri-rang Sseu-ri sseu-ri-rang A-ra-ri-ga Nass-ne.
アリアリラン、スリスリラン、アラリガ・ナンネ。
A-ri-rang Eung-eung-eung A-ra-ri-ga Nass-ne.
アリラン、ンンン、アラリガ・ナンネ。(※ 繰り返し)

Mun-gyeong-sae-jae-neun wen ko-gaen-ga,
ムンギョンセジェ(聞慶鳥嶺)ヌン、ウェン・コゲインガ、
Ku-bu-ya ku-bu-ku-bu-ga Nun-mul-i nan-da.
クブヤ、クブクブガ、ヌンムリ・ナンダ。

Nol-da ga-se nol-da-na ga-se.
ノルダ・ガセ、ノルダナ・ガセ。
Jeo dal-i tteoss-ta ji-do-rok nol-da-na ga-se.
チョ・ダリ・トッタ・ジドロック、ノルダナ・ガセ。

Man-gyeong-chang-pha-e tung-tung-tung tteun pae,
マンギョンチャンペ(萬頃滄波)エ、トゥンドゥンドゥン、トゥン・ペ、
Eo-gi-yeo-cha eo-ya ti-eo-ra no-reul jeo-eo-ra.
オギヨチャ、オヤ、ティオラ、ノルル・チョオラ)
※アルバム「オギヤディヤ」/ アルバム「李政美LIVE2011―いのちの讃歌」所収

 つながるいのち


作詞:佐古和枝・李政美
作曲:李政美


つなぎたい
いまこのほしに生きる
いのちたち

つなぎたい
ちりぢりにひきさかれた
いのちたち

あなたとわたし
わたし と あなた
へだてるかべをこえて

つなぎたい
きのう きょう あしたの
いのちたち

つなぎたい
とぎれとぎれに消えかけた
ものがたり

きずつききずつけ
ながした涙
希望にかわるように

つなぎたい
おと と ことば と こころで
つながりたい
あらゆる いのちと
いきとしいける すべてのいのちと
めぐりめぐる時を越えて
つながるいのち



作詞・作曲:武満徹
風よ 雲よ 光よ
夢を運ぶ 翼
遙かなる空に描く 希望という字を

人は夢み旅して いつか空を飛ぶ

風よ 雲よ 光よ
夢を運ぶ 翼
遙かなる空に描く 自由という字を
自由という字を

てぃんさぐぬ花

沖縄民謡
てぃんさぐぬ花や 爪先(ちみさち)に染(すー)みてぃ
親(うや)ぬ諭(ゆ)し言(ぐとう)や 肝(ちむ)に染(す)みり

天(ていん)ぬ群り星(ぶし)や 読(ゆ)みば読(ゆ)まりしが
親(うや)ぬ諭(ゆ)し言(ぐとう)や 読(ゆ)みやならん

夜(ゆる)走らす船(ふに)や ニヌファ星(北極)見あてぃ
我(わ)ん生(な)ちぇる親(うや)や 我(わ)んどう見あてぃ

 つつじの花
진달래 꽃


詩:金素月
訳詩:李政美
作曲:李政美
(詩/1925年)
나 보기가 역겨워
가실 때에는
말없이 고이 보내 드리오리다.

영변(寧邊)에 약산(藥山)
진달래꽃,
아름 따다 가실 길에 뿌리오리다.

가시는 걸음 걸음
놓인 그 꽃을
사뿐히 즈려 밟고 가시옵소서.

나 보기가 역겨워
가실 때에는
죽어도 아니 눈물 흘리오리다


私のことが疎ましく
去って行かれるその時は
黙って静かに送りましょう

寧邊の藥山つつじの花
胸いっぱいに摘みとって
行かれる道に蒔きましょう

あなたの歩む道々に
敷きつめられたその花を
そっと踏みしめお行きなさい

私のことが疎ましく
去って行かれるその時は
死んでも涙はこぼしません
※寧邊の藥山:平安北道寧邊の西側にある山。関西(平安道)八景のひとつ。

つぼみ

作詞;永六輔
作曲;李政美
つぼみ つぼみ
あした さく つぼみ
いのち いのち
あした ちる いのち

はなは さき
はなは ちる
はなぎら かぜに ひぃ ふぅ みぃ
はなびら かぜひ ハナ トゥル セッ

アン ドゥ トロア 
ワン トゥー スリー
イ アル サン
アイン ツバイ トライ
ハナ トゥル セッ

はなは さき
はなは ちる

つぼみ つぼみ
あした さく つぼみ
いのち いのち
あした ちる いのち

※アルバム「李政美LIVE2011―いのちの讃歌」所収

遠い道

作詞・作曲:李政美
どこから来たのか どこへ帰るのか
何かを探し求めて 迷い道歩き続ける
エヘイヨー エヘイヨー

手に入れたものすべて 愛さえな失くしても
心の自由を求めて 裸足のまま歩いて行きたい
エヘイヨー エヘイヨー

遠い道ただひとり 道ばたに倒れても
本当の自分に出会うまで つまずきながら歩いて行くだけ
エヘイヨー エヘイヨー
※アルバム「わたしはうたう」所収

トラジの花

作詞・作曲:ハン・ドル
訳詞:李政美

悲しみの舟を 川に浮かべても
あまりに重くて 流れやしない
どんなに彷徨っただろう 故郷への道
恋しいオモニ 故郷よ

この海枯れたら 行けるだろうか
波間にゆれる 悲しいトラジ
明るい十五夜 故郷の月
夢に描く 故郷よ

(原詩は韓国語)

鳥よ鳥よ/セヤセヤ

朝鮮民謡
訳詞:金重明

鳥よ鳥よ
青い鳥よ
緑豆の畑に降り立つな

緑豆の花が散りゆけば
清泡売りが泣いて行く                           


Sae-ya sae-ya pha-rang sae-ya
セヤ セヤ パラン・セヤ

Nok-tu-bath-e anj-ji-ma-ra
ノクトゥ・バッテ アンチマラ

Nok-tu-kkoch-i tteol-eo-ji-myeon
ノクトゥ・コッチ トロヂミョン

Cheong-pho-jang-su ul-go kan-da
チョンポ・チャンス ウルゴ・カンダ
*清泡=緑豆の沈殿物を原料とするコンニャクのような食品
*19世紀の東学農民戦争の頃、よく歌われた民謡

   虹と夢の歌

作詞・作曲:李政美

この町で生まれて この町で育った
この坂を越えれば 海が広がる
大好きなこの町 大切な人がいる

心こめてつくった石けん
誰かのハンカチ 真っ白にして
心こめてつくった布巾
どこかのテーブル ピカピカにして
心こめてつくったお菓子
今日も誰かを幸せにする

この町で働いて この町で生きて行く
あの空には虹が 夢が広がる
大好きなこの町 大切な仲間がいる

この場所で君と出会い
笑って泣いてけんかもして
それでも明日もまた会える
一緒に生きる仲間がいる

この町で働いて この町で生きて行く
あの空には虹が 夢が広がる
大好きなこの町 大切な仲間がいる
大好きなこの町 一緒に生きる仲間がいる

  ねがい

作詞・作曲:李政美

心のまんなかから
あふれだす言の葉が
すべてのものに宿る音
つかまえてくるように
真実(ほんとう)の歌 生まれますように

この歌がもっと深く響きますように
この歌がもっと軽やかに踊りますように
この歌がもっと自由に羽ばたきますように

小さきものの悲しみ
弱きものの痛み
傷ついた大地の上に
きれいな花 咲くように
声よ染みとおっていきますように

この声がもっと深く響きますように
この声がもっと軽やかに踊りますように
この声がもっと自由に羽ばたきますように

あなたの心に 
そっと届きますように

 ノヨンナヨン
너영 나영


済州島民謡
訳詞:李政美


*너영나영 두리둥실 놀구요
 낮이낮이나 밤이밤이나 상사랑이로구나

아침에 우는 새는 배가 고파 울구요
저녁에 우는 새는 임이 그리워 운다

호박은 늙으면 맛이나 좋구요
사람이 늙으면 무엇에나 쓰나

저 달은 둥근 달 산넘어 가는데
이 몸은 언제면 님 만나 사나

백록담 올라갈 땐 누이동생 하더니
한라산 내려갈땐 신랑각시가 된다

높은 산 산상봉 외로운 소나무
누구를 믿고서 왜 홀로 앉았나


そっと届きますように*ノヨンナヨン仲良く遊ぼう
 昼も夜もいつも両想い
朝鳴く鳥はお腹が空いて鳴き
夜鳴く鳥はあなたが恋しくて鳴く


南瓜は熟れれば甘くなり
人が老いれば役に立たなくなる


まあるい月は山を越えて行くのに
この身はいつになればあなたに会える


白鹿潭に登る時は妹だったのに
漢拏山下る時はいつの間にか花嫁


山の頂きの寂しい松の木
誰を信じて独りで座る


※ノヨンナヨン:済州島の方言で「アナタとワタシ」の意。



朝鮮語版
オリジナルは、喜納昌吉の
「すべての人の心に花を」


カンムルン・フロフロ・オデオディ・カヌニャ
サラムン・フロフロ・オデオディ・カヌニャ
ウロボセヨ、ウソボセヨ
オンジェンガ・オンジェンガ・コチュル・ピウォヨ

(オリジナル)
川は流れてどこどこ行くの
人は流れてどこどこ行くの
泣きなさい笑いなさい
いつの日かいつの日か 花を咲かそうよ

 恨五百年
한오백년


江原道民謡
訳詞:李政美

한많은 이세상 야속한 님아
정을 두고 몸만 가니 눈물이 나네
*아무렴 그렇지 그렇구 말구
한오백년 사자는데 웬 성화요

백사장 세모래밭에 칠성단을 보고
임생겨 달라고 비나이다
*
청춘에 짓밟힌 애끓는 사랑
눈물을 흘리며 어디로 가나
*
한많은 이세상 냉정한 세상
동정심 없어서 나는 못살겠네


恨(ハン)多きこの世 薄情なあなた
情を残して身体だけ逝ってしまうなんて涙がこぼれる
*いかにもそうだよ、そうだとも 
 おおよそ(ハン)五百年生きようというのに何を苛立つ

白砂の浜辺に七星壇を祀り
あなたを生き返らせてと祈るよ


青春に踏みにじられた せつない我が愛
涙を流しながら 何処へ行くのか


恨(ハン)多きこの世 冷たいこの世
情けがなくてやりきれない

 ひでり
가뭄


作詞・作曲:金敏基
訳詞:李政美

갈숲 지나서 산길로 접어 들어가
몇구비 넘으니 넓은 곳이 열린다
길섶에 피인 꽃 어찌 이리도 고우냐
공중에 찬 바람은 잠잘 줄을 모르난가

* 에헤야 얼라리야 얼라리난다 에헤야
 텅빈 지게에 갈잎물고 나는 간다


오랜 가뭄에 논도 밭도 다 갈라지고
메마른 논두렁엔 들쥐들만 기어간다
죽죽 대나무야 어찌 이리도 죽었냐
옛집 추녀엔 이끼마저 말라 버렸네
*

이 가뭄 언제나 끝나 무슨 장마 또 지려나
해야해야 무정한 놈아 잦을 줄을 모르난가
걸걸 걸음아 무심한 이 내 걸음아
흥흥 흥겹다 설움에 겨워 흥겹다
*


葦の林を抜けて山道に入り
曲がり道をいくつか越えれば野原が広がる
道端に咲く花はどうしてこんなにきれいなんだろう
空に舞う風は眠ることを知らないのか
*エヘイヤ オルラリヤ オルラリナンダ エヘイヤ
 空っぽの背負子に枯葉を積んで私は行く

ひでり続きで畑も田んぼもみなひび割れて
干からびた畦道には野ネズミばかりが這い回る
竹よ竹よどうしてみんな死んでしまったの
古い家の軒下では苔まで乾いてしまった


このひでりいつ終わるのか
今度は長雨でも降らそうというのか
太陽よ無情なやつ陰る事も知らないのか
歩く、歩く、無心なこの歩み
楽しい、楽しい、悲しすぎて楽しくなってきた


※アルバム「わたしはうたう」所収


For You

作詞:李政美
作曲:板橋文夫

夏 あなたに出会い
つかの間の日々を 共に生きた
かけがえのないこの時 いとおしみ
いのちの炎燃やし続けながら

秋風に揺れるコスモスの花も
冬の空に輝くオリオンの光も
まるではじめて見るように 心ふるえた

春の陽ざしが窓辺に差し込む
恐れも痛みもない彼方へ
静かな祈りに心解き放ち
光の中旅立つように

夏がまた廻り、あなたはもういない
名前を呼んでみても
思い出の場所を探してみても
残っているのはあなたの愛だけ

私は生きて行く
その深い愛に包まれて
あなたが愛した歌を歌い続ける
いのちのかぎり あなたのために


*2013年秋の板橋文夫(p)とのDUOツアーで生まれた曲。ジャズピアニスト板橋文夫のリリカルなバラッドに、李政美のイマジネーションが新たな命を吹き込んだ。(leaf)


 鳳仙花
봉선화


作詞:金亨俊
訳詞:李政美
作曲:洪蘭坡
(1920年)

울 밑에선 붕선화야 네 모양이 처량하다
길 고긴 날 여름철에 아름답게 꽃 필적에
어여쁘신 아가씨들 너를 반겨 놀았도다

어언간에 여름가고 가을바람 솔솔불어
아름다운 꽃송이를 모질게도 침노하니
낙화로다 늙어졌다 네 모양이 처량하다

북풍한설 찬바람에 네 형체가 없어져도
평화로운 꿈을 꾸는 너의 혼은 예있으니
화창스런 봄바람에 환생키를 바라노라


垣根の下に咲く鳳仙花よ
お前の姿がもの悲しい
長い長い夏の日きれいに咲く頃
美しい娘ら、おまえを愛で遊んだ

いつしか夏は去り秋風がそよ吹き
きれいな花房無惨に蝕む
花は散り老いさらばえた 
お前の姿がもの悲しい

北風と冷たい雪に
おまえの姿はなくなっても
平和を夢見るおまえの魂がここにあるから
うららかな春の日に蘇ることを祈るよ

星とたんぽぽ

作詞;金子みすゞ
作曲;李政美
青いお空のそこふかく、
海の小石のそのように、
夜がくるまでしずんでる、
昼のお星はめにみえぬ。
  見えぬけれどもあるんだよ、
  見えぬものでもあるんだよ。

ちってすがれたたんぽぽの、
かわらのすきに、だアまって、
春のくるまでかくれてる
つよいその根はめにみえぬ。
  見えぬけれどもあるんだよ、
  見えぬものでもあるんだよ。
※アルバム「わたしはうたう」所収

星めぐりの歌

作詞・作曲:宮沢賢治
『宮沢賢治全集』第七巻
筑摩書房 所収

あかいめだまのさそり
ひろげた鷲のつばさ
あをいめだまの小いぬ
ひかりのへびのとぐろ
オリオンは高くうたひ
つゆとしもとをとおす

アンドロメダのくもは
さかなのくちのかたち
大ぐまのあしをきたに
五つのばしたところ
小熊のひたひのうへは
そらのめぐりのめあて

※アルバム「李政美LIVE2011―いのちの讃歌」所収

ホルロアリラン

作詞・作曲:ハン・ドル
訳詞:李政美
遥か遠く 東海の さみしい島
今日も強い風が吹き抜ける
小さな顔に風を受けれれば
独島よ 昨日はよく寝たかい

*アリラン アリラン ホルロアリラン
 アリラン峠を越えて行こう
 もしも疲れたら休みながら
 手を取り合って行ってみよう

金剛山の清い水は東海に流れ
雪岳山の清い水も東海に流れて行くのに
私たちの心はどこへ行くのか
いつになったら私たちはひとつになるのだろう



白頭山 豆満江から船に乗って発て
漢拏山 済州島から船に乗って行く
そして独島に錨を下ろし
昇る朝日を迎えよう



Jeo meol-li tong-hae pa-da woe-ro-un seom
チョ・モルリ トンヘ・パダ ウィロウン・ソム

O-neul-do keo-sen pa-ram pul-eo-o-gess-ji
オヌルド コセン・パラム プロオゲッチ

Jo-geum-han eol-gul-lo pa-ram maj-eu-ni
チョグマン・オルグルロ パラム・マヂュニ

Tok-to-ya kan bam-e jal jaj-neu-nya
トクトヤ カン・バメ チャル・チャヌニャ

A-ri-rang A-ri-rang Hol-lo a-ri-rang
アリラン アリラン ホルロ・アリラン

A-ri-rang-ko-gae-reul neom-eo-ga-bo-ja
アリラン・コゲルル ノモガボジャ

Ka-da-ga him-deul-myeon swi-eo-ga-deo-ra-do
カダガ・ヒムドゥルミョン スィオガドラド

Son jap-ko ka-bo-ja kath-i ka-bo-ja
ソン・ヂャプコ・カボジャ カッチ・カボジャ

 待つ心
기다리는 마음


作詞:金敏夫
訳詞:李政美
作曲:張一男
(1964年)



일출봉이 해뜨거든 날 불러주오
월출봉에 달뜨거든 날 불러주오
기다려도 기다려도 임 오지않고
빨래소리 물레소리에 눈물 흘렸네

봉덕사에 종울리면 날 불러주오
저바다에 바람불면 날 불러주오
기다려도 기다려도 임 오지않고
파도소리 물새소리에 눈물 흘렸네


日出峰に日が昇ったら呼んでおくれ
月出峰に月が昇ったら呼んでおくれ
待っても待ってもあなたは来ない
糸車の音、砧の音に、涙を流したよ

奉徳寺の鐘が鳴ったら呼んでおくれ
あの海に風が吹いたら呼んでおくれ
待っても待ってもあなたは来ない
波の音、水鳥の音に、涙を流したよ

*2002年3月3日テレビ朝日系日曜劇場放映ドラマ『結婚の条件』挿入・テーマ曲

満月の夜

作詞:麻烏澄江
作曲:川村ニッコ

光あふれる満月の夜
聞こえてきます 海の音
名もない岸辺に一人立つ
祈る気持ちです 今日の夜
時をきざむ潮の中で
生まれたこの日が巡り来る
抱きしめる たどりかえす 時を越えて
寄せては返す波のように
めぐり来る満ち潮のさざめき
まるごとの私が満ちて来る

光あふれる満月の夜
耳をすませば 波の音
名もない岸辺に一人立つ
満ちて来る気持ちです 今日の夜
何も恐いものはない
果てない宇宙もこの手の中に
抱きしめる たどりかえす 時を越えて
寄せては返す波のように
めぐり来る満ち潮のさざめき
まるごとの私が満ちて来る
※アルバム「わたしはうたう」所収

ミリャン・アリラン

(朝鮮民謡)
*原詞は朝鮮語

私を見て 私を見て
真冬の花を見るように私を見て

アリアリラン スリスリラン アラリガナンネ
アリラン コゲロ ナルノムギョジュソ

ヨンナムルの名勝を訪ねてみれば
アランの哀しい物語が伝えられている

アリアリラン スリスリラン アラリガナンネ
アリラン コゲロ ナルノムギョジュソ

どうして来たのだろう
どうして私は来たのだろう
泣いて帰る道をどうして私は来たのだろう

アリアリラン スリスリラン アラリガナンネ
アリラン コゲロ ナルノムギョジュソ

*Mil-yang A-ri-rang 密陽(ミリャン)アリラン by てじょん

1.Nal jom bo-so, nal jom bo-so, nal jom bo-so.
 ナル・チョム・ボソ、ナル・チョム・ボソ、ナル・チョム・ボソ。
Tong-ji seot-tal kkoch pon deus-i nal jom bo-so.
 トンジ・ソッタル、コッ・ポン・ドゥシ、ナル・チョム・ボソ。

2.Yeong-nam-ru myeong-seung-eul chaj-a-ga-ni,
 ヨンナンム、ミョンスグル、チャヂャガニ、
 A-rang-eui yae-hwat-ga jeon-hae iss-ne.
 アランエ・エファガ、チョンネ・インネ。

3.Wae wass-no, wae wass-no, nae-ga eo-jji wass-no?
 ウェ・ウァンノ、ウェ・ウァンノ、ネガ・オッチ・ワンノ。
Ul-li-go kal kil-eul nae-ga eo-jji wass-no?
 ウルリゴ・カル・キルル、ネガ・オッチ・ワンノ。

4.Jeong-dun-nim-i o-syeoss-neun-de, in-sa-reul mos-hae,
 チョンドゥニミ・オショヌンデ、インサルル・モッテ、
 Haeng-ju-chi-ma ib-e mul-ko, ib-man pang-geus.
 ヘンジュチマ・イベ・ムルコ、イムマン・パングッ。

※ A-ri a-ri-rang, sseu-ri sseu-ri-rang a-ra-ri-ga nass-ne.
  アリ、アリラン、スリ、スリラン、アラリガ・ナンネ。
  A-ri-rang ko-gae-ro nal neom-gyeo ju-so.
  アリラン・コゲロ、ナル・ロムギョ・ヂュソ。  (※繰り返し)
※アルバム「オギヤディヤ」/ アルバム「李政美LIVE2011―いのちの讃歌」所収

 木浦の涙
목포의 눈물


作詞:金能仁
訳詞:李政美
作曲:孫牧人
사공의 뱃노래 가물거리면
삼학도 파도 깊이 스며드는데
부두의 새아씨 아롱젖은 옷자락
이별의 눈물이냐 목포의 설움

삼백년 원한 품은 노적봉 밑에
임자취 완연하다 애달픈 정조
유달산 바람도 영산강을 안으니
임그려 우는 마음 목포의 사랑


船頭の舟歌かすかに聞こえ
三鶴島は波の中深く沈むのに
埠頭の新妻の濡れた袖
別れの涙か 木浦の悲しみ

三百年の恨みを抱く露積峰の麓
あなたの残した足跡に胸しめつけられる
儒達山の風も栄山江を抱き
あなたを想って泣く心 木浦の愛

やさしく奪って

原曲:ロバータ・フラック
訳詞:李政美
1. *Strumming my pain with his fingers
Singing my life with his words
Killing me softly with his song
Killing me softly with his song
Telling my whole life with his words
Killing me softly with his song

I heard he sang a good song
I heard he had a style
And so I came to see him Listen for a while
And there he was this young boy
A stranger to my eyes



2. 心の傷を見すかすように
しみとおっていく あなたの声
私のからだ突き抜けていく

**心をゆさぶる ギターのつまびき
身体をつらぬく あのうた、あのメロディー
やさしく、激しく 魂 奪って

Ou Ou Ou Ou La La La La
Ou Ou Ou Ou Na Na Na
Ah Ah Ah



He was Strumming my pains
yeh he was Singing my life
Killing me softly with his song
Killing me softly with his song
Telling my whole life with his words
Killing me softly with his song

遺言

作詞:宗秋月
作曲:李政美
冬枯れの野に立つと
踏みしめた枯れ草の下の
たんぽぽやはこべや
よもぎの 命を秘めた大地の
ぬくもりが足の下から
伝わってくる。
四季がめぐりくるように
我が命がつむいだ
新しい命の
笑い 泣き 怒る 三心の
いとおしさ 食べてしまいたい
いとけなさ 哀しいまで……
幻の荒野にいつか


 立ちつくす子に
 母は 霜除けの草であったと
 母も 忍ぶ草であったと
 一陣の風よ
 伝えておくれ

※アルバム「オギヤディヤ」/アルバム「李政美LIVE2011―いのちの讃歌」所収

 雪降る原野で

詩:ト・ジョンファン
曲:李政美
深い雪道に足をとられながら
なつかしい人に会いに行きたい

足音だけがさみしく響く道を歩いて
愛しい人に会いに行きたい

身体よりもっと疲れた心を横たえて
遅くまで話しを交わし深まりたい

見渡しても一面の原野
もたれても背が凍えるばかりの数本の樹々だけ
この原野のような都会のまんなかを通って
窓の外にこぼれる暖かい灯りを数え 胸に秘めた
遠くにいるなつかしい人に向かって行きたい

心より身体がもっとさみしいこんな日に
堪えることができない咳のようにあふれ出る名前を呼びながら
愛しい人のところへ走って行きたい

 龍泉剣
용천검


済州島民謡
訳詞:李政美
찾던 칼을 쑥 빼고 보니 난데없는 용천의 검이라.
*에헤야라 데야 에헤야라 데헤야라 방애 방애로다.

명년이월 춘삼월 나면 다시 피는 꽃이로구나.

명사십리 해당화야 꽃이 진다고 서러워 마라

가면 가고 말면 말지 초신을 신고서 시집을 가나.

가는 님 허릴 뒤 담쑥 안고 가지를 말라고 낙루(落涙)를 한다.

물밀어라 돛달아라 제주 앞 바다 달맞이 가자


探し求めた剣をスラリと抜いてみれば
図らずも龍泉剣であった

*エヘイヤラ デイヤー エヘイヤラ デヘイヤラ
 パンエ パンエロダ

明くる二月、春三月ともなれば
花はまた咲く

明砂十里のハマナスの花よ
花が枯れると嘆くな

行くなら行けば良い、行かぬなら行かねば良い
草鞋を履いて嫁に行くのか

去って行く君の腰をやさしく抱いて
行かないでと涙を流す

波を押せ、帆を揚げろ
チェジュの沖まで月見に行こう


※龍泉剣:中国・周の時代の天下の名剣と伝えられている。
※明砂十里:咸鏡道・元山にある名勝地

臨終

作詞:高銀
作曲:高橋悠治

ニムよ わたしは西方浄土には行きたくはありません
いくたび死んでも この国にとどまりたいのです
死んで この身は土になり
土や風になっても
それでもこの国の風になり
魂は凶暴な死霊(鬼神)となっても
この国の山河にとどまりたいのです
こうして幾千年もさまよえば
死んだものにとってこの国そのものが生になるでしょう
栄山江の岸辺、ノルメのせせらぎにもさまよい
いかれなかった大同江や牡丹峰の上をさまよって
鳥が鳴けばわたしも泣き
この国の涙となり
深夜の酒となって
すべての溜息を酔わせましょう
この国に生まれたということは
この国をさまようためで
それ以外のことをするためではないのです
ひとつの悲しみは千にも万にもちぎれてそれぞれの悲しみになるもの
沈む月明かりに寝入るようにして
西方浄土には行きたくありません
いくたび死んでも
この国の最後の夜を見とどける死霊(鬼神)になりたいのです
水が凍り 冷たい風が吹いても
ともに氷の下の水となり
ともに風の痛みをうける風の音になりましょう
この国の土や草
黄土の丘に眠る松の木も
幾千年の歴代に死んでいった祖先とともにあるもの
いくたび死んでもいっしょにいたいのです
降りしきる雨のひとしずくで
この国の日陰の草をそだてたいのです
ニムよ わたしは死んで西方浄土へは行きたくありません
そこへ行くなんて そこへ行くなんて
どうして西方浄土になど行けるでしょう
死んでもこの国の死霊(鬼神)になるのです

ローズ

作詞:リンダ・へンリック
訳詞:麻鳥澄江(女くらぶバンド)
作曲:アマンダ・マックブルーム

人は言う 愛は河 河の流れに葦は沈むと
人は言う 愛はカミソリ 心を傷つけ血を流す
人は言う 愛は乾き 満たされず続く乾き
でも私には 愛は咲く花 あなたも今は種

愛は心 恐れる魂 壊れてしまう 踊れない
愛は夢 あさはかな夢 目覚めずに飛び立てないまま
愛は君 奪われまいとする 与える愛は見えない
失くなることを恐れる魂 君の愛は座ったまま

長い夜が続き 道が果てしなく続くとき
そして君が愛とは運がよくて
強い者のためにあると思うとき
忘れないでね 冬の冷たい雪の遥かその下には
太陽の愛さえあれば 春に
バラとなって花ひらく種があることを

THE ROSE

Some say love it is a river
That drowns the tender reed
Some say love it is a razor
That leaves your soul to bleed
Some say love it is a hunger
An endless aching need
I say love it is a flower
And you its only seed

It's the heart afraid of breakin'
That never learns to dance
It's the dream afraid of wakin'
That never takes the chance
It's the one who won't be taken
Who cannot seem to give
And the soul afraid of dyin'
That never learns to live

When the night has been too lonely
And the road has been too long
And you think that love is only
For the lucky and the strong
Just remember in the winter
Far beneath the bitter snows
Lies the seed that with the sun's love
In the spring becomes the rose

6時9分

作詞:Volker Ludwig
作曲:Birger Heymann

1 6時9分、ソウル駅
  列車が着きドアが開く音
  白む空 霧を含んだ風
  日差しは目を刺し 私は頬をつねる、おもいきいり
  ここはソウル!

  夜通し列車に揺られて来たの
  踊る心 狂いそうなくらい
  明け方 この見知らぬ都市に
  明け方 この見知らぬ都市に

2 6時10分、ソウル駅
  しっかり立って深呼吸する
  大都市の匂い 奢侈と堕落の生臭い匂い
  縺れあうように並ぶ自動車
  煤煙と香水の匂い
  狂乱の まさにソウルの匂い!
  
  夜通し列車に揺られて来たの
  踊る心 狂いそうなくらい
  明け方 この見知らぬ都市に
  明け方 この見知らぬ都市に

わたしと小鳥とすずと

作詞:金子みすゞ
作曲:李政美

わたしが両手をひろげても、
お空はちっともとべないが、
とべる小鳥はわたしのように、
地面をはやくははしれない。

わたしがからだをゆすっても、
きれいな音はでないけど、
あの鳴るすずはわたしのように、
たくさんなうたは知らないよ。

すずと、小鳥と、それからわたし、
みんなちがって、みんないい。

※アルバム「わたしはうたう」所収

わたしはうたう

作詞:大空スカイ
作曲:李政美
風がうたう 風が笑う
笑う風のそよぎに乗せて
私はうたう

川がうたう 川がささやく
ささやく川の流れに乗せて
私はうたう

野原がうたう 野原が踊る
踊る野原の中に立ち
私はうたう

※アルバム「わたしはうたう」所収

わらい

作詞:金子みすゞ
作曲:李政美

それは きれいな ばらいろで、
けしつぶよりか ちいさくて、
こぼれて 土に 落ちたとき、
ぱっと 花火が はじけるように、
おおきな花が ひらくのよ。
もしも なみだが こぼれるように、
こんな わらいが こぼれたら、
どんなに、どんなに、きれいでしょう。
※アルバム「オギヤディヤ」所収

オフィスとんがらしにメールする